免震部材の特徴2
すべり系
免震構造の装置としては、積層ゴムの他にもいくつかの方法があります。そのひとつが「すべり支承」といわれるもので、これは住宅都市整備公団の建設技術試験場と民間の研究機関との間で開発されたものです。
この装置の特長は、大規模の地震と弱小の地震でそれぞれに違った対応ができることです。
小さな地震のときには、積層ゴムだけが変形して地震のエネルギーを吸収します。大きな地震の際には、積層ゴムそのものが横滑りを起こしてエネルギーを吸収するように工夫されています。
この他に「FPS」という工法もあります。半球状の滑動体が滑ることで、地震のエネルギーを吸収するものです。
このように、地震の衝撃から建物を守るための研究は日進月歩で進められています。これからも様々な方法が開発されるでしょう。
「転がり系」
免震部材には、ベアリングやローラーを活用した「転がり」の動きを活用する免震構造があります。
この転がりによる免震とは、地震で横揺れが起きたとき、その揺れと反対方向にローラーが自動的に動きます。それによって建物の揺れを減少させる仕組みになっているのです。
これは住宅都市整備公団の独自の研究によるもので、それを民間にも提供しているのですが、これからのマンション建設や、ビルの免震に大いに活用されるものと考えられます。
現在、建設業界では万一の場合に備えて、住宅都市整備公団等の研究の成果を元に、倒壊や崩壊の被害をなるべく抑えられるような対策を立てる動きが活発化しています。